省エネ、再エネ化に世の中が向かっていますが、
今回は「建物完成後にあとから太陽光パネルを載せても大丈夫なの!?」というお話をします。
結論から言うと、積雪地に限って言えば、「条件付き」ですが大丈夫です!
「条件」とは、簡単に言えば雪下ろしが必要な積雪深さが少なくなるということです。
感覚では納得いただけると思いますが、具体的に数値化して細かく見ていきます。
1.太陽光パネルの荷重をもとめる
太陽光パネルの重さはメーカーや出力によって変わりますが、4kwシステムで架台を含めた重さは、おおよそ1m2あたり16kgと言われています。
建築構造計算ではSI単位を用いますので、重力加速度9.80665m/s2を乗じると
16(kg/m2) × 9.80665(m/s2) = 156.9064(N/m2)
太陽光パネル1m2の単位荷重は、156.91(N/m2)となります。
2.雪の重さをもとめる
建築基準法では、地域ごとに積雪深さ(cm)と単位積雪荷重(N/m2・cm)が決められています。
富山県の平野部では、積雪深さ150(cm)、単位積雪荷重30(N/m2・cm)と定められていますので、
屋根1m2に乗せられる積雪荷重は、
150(cm) × 30(N/m2・cm) = 4,500(N/m2) になります。
ここで、積雪地域では長期にわたり雪による荷重が建物にかかると考えるので、(長期荷重と言います)積雪荷重の7割を荷重として見込みます。
4,500(N) × 0.7 = 3,150(N/m2)
となります。
3.太陽光パネル+雪
太陽光パネルの荷重と、建物が耐えられる雪の荷重を求めてきました。
太陽光パネルを屋根にのせるときは、常に太陽光パネルの荷重がのっている状態を考えますので、
最大許容積雪荷重 > 太陽光パネルの荷重 + 許容積雪荷重
と考えればよいことになります。
つまり、
3,150(N/m2) > 156.9064(N/m2) + 許容積雪荷重
となりますので、
許容積雪荷重 < 3,150(N/m2) ー 156.9064(N/m2)
許容積雪荷重 < 2,993.09(N/m2) となります。
雪降ろしが必要な積雪量は?
雪降ろしが必要な積雪量は、許容積雪量を単位積雪荷重30(N/m2・cm)で除すことで求められます。
許容積雪荷重2,993.09(N/m2) ÷ 30(N/m2・cm)= 99.76(cm)
このことから分かるように、屋根に太陽光パネルが載せられることによって、1.5mまで積もっても大丈夫だった雪が、1.0m積もると建物が倒壊する恐れがあることが分かります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
瓦屋根と比較してもパネルの重さは軽いから大丈夫とうたっているサイトもありますが、全く間違いとは言えないものの、積雪地では雪降ろしが必要な雪の深さが少なくなってしまうことに注意してください。
最後までご覧いただきありがとうございました!!(^o^)/
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