住宅のプランニング(平面計画)は、敷地や各部屋の大きさなどの物理的な配置と、音や視線、臭いといった感覚的な配置、風や採光などの環境的な配置など、複数の決定要因が絡み合って作られています。
さらには、お隣さんとの距離感や窓の位置、人によっては風水まで気をかける人。
建築家目線で言えば、敷地や道路との関係、建物の面積といった建築基準法からもアプローチしていきます。
今回は間取りを決める際の、『トイレ』の配置についてお話します。
いきなりソコ!?と思うかもしれませんが、設計はトイレや階段を納められれば一人前という建築家も居たとか居ないとか。
方位から考える
トイレを配置する位置として、まずは第一候補として陽あたり条件が一番良くない北側に配置します。
逆説的に言えば、住まいにおいて人間が一番長く居座る場所であるリビングやダイニングなどは、陽あたりや風通しのいい南側に置きたいからです。
配置ブロックプランの例 まずは大まかにエリア取りをしていきます。 |
リビング周辺に置く
間取り作成(プランニング)の中で注意したいのは、物理的に納めることも大切ですが、嗅覚・視覚・聴覚の3つの感覚と、気配を感じながらシミュレーションしてみることです。
下図のように、扉1枚を隔てただけのトイレはどうでしょう?
図:トイレがリビングに向かっている例 |
音や臭いだけではなく、入り口がリビングに直接つながっているので、常にトイレの前に誰かがいるという気持ちになりませんか?
落ち着いて用を足せませんね💦
そこで、下図のように廊下で繋いでみるとどうでしょう?
図:廊下などの干渉空間をつけた例 |
廊下のペースが無駄にはなりますが、一応解消されたように思えます。
ではさらに、下図のように階段の奥に潜らせてみてはどうでしょう?
図:階段の奥にトイレを置く例 |
階段の影に隠れて、トイレの気配が消えますね!
階段がひとつしか設けられない場合は、階段から降りてすぐにトイレへ向かえるので、家具などの障害物もなく、移動がスムーズに行えます。
玄関周辺に配置する
どうしてもリビングダイニングの近くに便所を置くを嫌う場合は、玄関付近に置くパターンもあります。
玄関周辺に置く場合は、来客との関係に注意しましょう。
下図のように、堂々と便所の入口が玄関扉へ向いていると、「ちょっとカンベンしてよ💦」と思いますよね!
図:玄関の正面に便所がある例 |
初めての来客からは扉の向こうがトイレだとは分かりませんが、玄関で話し込まれてしまうと、家族の人はトイレに入りにくいですね!
では、これではどうでしょう?
図:トイレの入口を玄関から避けてはみたが、、、。 |
トイレの入口が来客から直接見えてはいませんが、来客と関係が深くない家族にとっては、廊下を横切るのは抵抗がありますね。
では、これはどうでしょう?
図:来客と顔をあわすことなくトイレを使用できます。 |
これなら視線も気にせず、来客時にも顔を合わすこともなくトイレに行けますね。
多少、音や気配は感じるかもしれませんが、、、。
水回りをまとめる
洗面やお風呂、脱衣所などの水回りとまとめた例です。
図:水回りをまとめた例 |
給排水管が短くまとめられるので、コストダウンが図れますし、家事動線も短くります。
まとめ
大別して3つ挙げさせていただきました。
- リビング周辺に配置する
- 玄関周辺に配置する
- 水回りをまとめる
全体の中でどこに置くかは、時と場合によて異なります。
南側にトイレを配置した方が全体がバランスよくまとまる場合もありますので、全体を俯瞰しながら合理的に判断して、ステキな間取りを実現しましょう!!
最後までご覧いただきありがとうございました!!(^o^)/
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