私が住宅の設計をする時に一番こだわる部分は、『造作(ぞうさく)』です。
『造作(ぞうさく)』とは、巾木や建具枠、廻り縁など、主に室内の壁天井同士が取合う部分に用いる部材のことです。
たとえ壁・天井材が全てビニール壁紙になろうと、ここだけは外せません!!
出来れば床材も単層無垢フローリングとしたいところですが、やはり一番は『造作』です。
なぜなら、『造作』の扱い方に設計者の特徴やデザイン力が出るからです。
『陽筒』 建具枠・巾木は米ツガ材 柱と枠との取合いをスマートに納めています。 |
ハウスメーカーや工務店のほとんどは、造作材に『MDF製品』を使用していますが、私の設計では、無垢の木を使用します。
MDF製品は断面に自由が利かず、カタログからチョイスした断面形状のものを長さのみ加工することになっています。
逆に、無垢の木を使うと断面が自由に加工できるので、壁との取り合いや天井との取り合い、床との取り合い、建具枠同士の取合いを自由に工夫できます。
例えば、限られたスペースの中で少しでも広く寸法を確保したい場合、見え方をスマートにしたい場合、窓枠にひと工夫してブラインドの吊元を隠したい場合など、細かな要望に対応できることができます。
造作材で用いる木の種類は予算によって様々ですが、米ツガ、スプルス、杉を使用しています。
旅館などでは米松を使用されているのをよく見かけますが、脂(ヤニ)が発生するので、あまりオススメしません。
『千』 社長室のガラス枠は米ツガ材。 硝子と天井との取り合いにはブラインドボックスを仕込んでいます。 |
造作材に木を用いると、空間の質、デザインの質が大きく違ってくるので、デザインに拘りたい場合は是非『造作材』に拘っていただきたいですね!!
最後までご覧いただきありがとうございました!!(^o^)/
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