今や住宅にペアガラス、Low-E(熱反射/断熱)ペアガラスは当たり前!!
しかし、今後、新築の基準となるZEH(ネット・ゼロエネルギー・ハウス)では、窓に求められる水準がさらに上がります!!という記事を見たので、ちょっとおさらいをしてみました。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義:経産省HPより |
ZEHの定量的な定義とは?
以下、4つの定義があります。
- 強化外皮基準を満たすこと
- 再生エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費から20%以上の一次エネルギー量が削減されていること
- 再生可能エネルギーが導入されていること(容量不問)
- 再生可能エネルギーと差し引きして、基準一次エネルギー消費から100%の一次エネルギー消費量が削減されていること
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の定義:経産省HPより |
それぞれ、順に説明をしていきます。
①強化外皮基準を満たすこと
満たすべき外皮性能基準(壁、床、屋根の断熱性能)は、地域によってことなります。
この外皮性能は、『外皮平均熱貫流率(UA値)』で表されていて、住宅の室内から、「床(基礎)・壁(外壁)・天井(屋根)・開口部(窓)」などを通して、外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した数値です。
UA値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを表しています。
このUA値には各制度によってそれぞれ目標数値があって、富山県では
平成28年省エネ基準 ⇒ UA=0.87(W/(m2・K))
HEAT20_G1グレード ⇒ UA=0.48(W/(m2・K))
HEAT20_G2グレード ⇒ UA=0.34(W/(m2・K))
ZEH基準 ⇒ UA=0.60(W/(m2・K))
となっています。
予算があれば『HEAT20_G2グレード』まで行えば良いのですが、私の設計では現実的なラインとして『HEAT20_G1グレード』を目標に採用しています。
この場合でもZEHに定められている断熱性能よりも高断熱です。
又、富山県ではUA値の他にも、夏期にどのくらい外皮が熱を取得するかを示す『冷房期の平均日射熱取得率(ηA値)』も定められており、平成28年省エネ基準ではηA=3.0と定められています。
②再生エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費から20%以上の一次エネルギー量が削減されていること
要するに、高効率住宅設備機器を使用して、使用エネルギーを20%削減してください!ということです。
※一次エネルギーとは、加工されていない状態で供給されるエネルギーのことで、石油、石炭、原子力、天然ガス、水力などのことを言います。電気は一次エネルギーではありません。
例として
- 高効率エアコン
- 熱交換型換気扇
- LED照明
- 高効率給湯器(エコフィール、エコジョーズ、エコキュート等)
などがあります。
③再生可能エネルギーが導入されていること(容量不問)
住宅設備では、主に『太陽光パネル』が当てはまります。
再生可能エネルギーには、他にも風力、地熱などがあり、これからの技術開発が楽しみな分野でもあります。
『太陽光パネル』の導入について、新たな取り組みが注目されています!!
⇒おトクな太陽光パネル導入事例はこちら(過去ブログ:PPAでおトクに省エネハウスを作ろう!!)
④再生可能エネルギーと差し引きして、基準一次エネルギー消費から100%の一次エネルギー消費量が削減されていること
①~③を合計して、概ねエネルギー消費を”0”にするという内容になりますが、実際に”0”にすることは難しく、Nearly ZEH(75%~100%未満の省エネを満たした住宅のこと)という基準も設けられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家庭部門のエネルギー消費(特に給湯エネルギー)が、他産業と比較してもかなりの割合を占めているため、2030年までに「新築住宅」の平均で、ZEHの実現を目指すことを目標としました。
経験上、建物の外皮性能のウィークポイントは『窓』と『換気』による熱損失です。
省エネ計算時には、2つの性能の良否が全体に大きく影響を及ぼします。
私の読んだ記事の内容によると、ペアガラスの空気層を断熱ガス(アルゴンガス)化したり、トリプルガラスにして断熱性能を上げるということでした。
ZEHには助成制度もあり、以前から注目されている制度ではありますが、高性能なものを使おうと思えば、その分コストアップにも繋がります。
設計のセンスはバランス感覚!!といっても過言ではありません。
弊社ではその都度、『一次エネルギー消費量』や『外皮平均熱貫流率(UA値)』を算出してプレゼンしますので、広い視野で予算と睨み合いながら、自分に合った住まいを計画していくのが良いでしょう!!!
最後までご覧いただきありがとうございました!!(^o^)/
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