現場レポート”ANNEX01” ~基礎工事~

2015年3月24日火曜日

現場レポート 離れ

t f B! P L


諸事情によりずいぶんと久しぶりの投稿となってしまいました。



春も近いと思いきや、


雪がちらつく天気となっています。



さて、先週から現場がひとつ動き始めたので工事の解説と合わせてつづっていきます。



今回のプロジェクトは”離れ”の住宅です。



離れとは言っても、母屋とは渡り廊下で接続しているので完全に離れとは言えませんが。



要するに二世帯住宅化するための増築といったところです。



今回は水廻りおよび玄関とも分離した完全二世帯住宅になります。



二世帯住宅には今回のような完全分離型の二世帯住宅や



水廻りと玄関は共有し、リビングを2つ設けるタイプ、



寝室のみ分離するタイプなど様々なタイプがあります。



参考までに申しますと、建築基準法において敷地の過分不可分という要綱があり、



キッチンやお風呂などの水廻り一式をそろえた形で完全別棟形式とすることはできません。



ひとつの敷地にふたつの住宅が建つことになるからです。



という訳で、完全分離型の二世帯住宅を計画する場合は



敷地を分割して計画するか(登記上の分割ではない)、増築して同一棟とするほかありません。



法律の豆知識はこの辺にして、現場レポートに移ります。



現在は基礎工事の最中です。



基礎を地盤に定着させるため、地面を掘り、基礎コンクリートを打つ準備をしています。



これを「根切り」と言います。


根切り状況。
















地盤調査の結果、ベタ基礎を採用しました。



敷地は海に近いので杭工事を予想していたのですが、



建物が平屋なのが幸いして改良を行わずに済みました。



敷地は塀で囲われており、杭を打たなくて済んだことは塀を壊さず工事できるので



本当に助かりました。



土砂の搬出や材料の搬入にとても苦労しそうですが・・・・。



べた基礎とは建物の荷重を底盤で支え、広い面積で地面に荷重を伝える基礎方式です。



面で支えるので単位面積当たりの地面に伝わる圧力が少なくなり、



その分少ない地盤耐力で済みます。
(地盤耐力により採用できる基礎の方式は建築基準法で定められています。)



写真のうち、凹状の部分はべた基礎の地中梁部分の根切りです。



べた基礎は面で支えると申しましたが、べた基礎の面を維持するためには



梁が必要になります。(箱の蓋をイメージしていただけるとわかりやすいです。)



通常は床下部分の基礎立ち上がりが逆梁となって面を維持する



機能を果たしているのですが、床下部分すべてに立ち上がりを設けてしまうと



メンテナンスを行う時に人が床下をくまなくチェックできなくなってしまいます。



それを避けるために地中梁を設けて面を維持しています。



立ち上がりの区画毎に床下点検口を設ける方法も無くもありませんが、



断熱を切ることと、室内にぼこぼこと点検口が出るのが嫌だったので地中梁方式としています。



建物はメンテナンスのことも考えて設計しないといけません。






富山県の注文住宅設計事務所

マツモトケイスケ一級建築士事務所
松本啓介







プロフィール

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高岡市新成町3-43, 富山県, Japan
建主より楽しんで家づくりをする建築家です。 建物の設計監理を生業にして25年、独立して12年目になります。 新築のみでなく増改築も承っております。 住宅やオフィス、自動車修理工場、その他工場など幅広く仕事をさせていただいています。

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