今年も残すところ約1か月となりました。
先月行われたヘリテージマネージャー講習会の報告です。
今回は富山の民家建築というテーマで、
富山の民家を個人で研究されている佐伯安一さんに講義をいただきました。
民家といっても、その形態から様々な型がよみとれます。
間取りや屋根の形など、地域の習慣や気候条件がその形態に反映されています。
近代建築の有名な建築家、ルイス=サリヴァンの言葉で、
私も好きな言葉ですが、
「形態は機能にしたがう。」
まさにそのことが表れているのが民家です。
間取りでは特に座敷の形態に地域の色があらわれているそうで、
仏事のときにどのようにお坊さんや家主が並ぶのかということが反映されているそうです。
共通しているのが、寝室などの個室が奥に構えていることでした。
屋根の形態には、入母屋屋根がほとんどですが、入母屋屋根の角度は呉東と呉西で
違っており、特に氷見では能登の特徴が色濃く反映されているそうです。
砺波地方は独自の形態があって、砺波だけに寄棟屋根があったそうです。
その理由として田園風景があるそうです。
田園地区は、その名の通り建物の周りが田になっているので
風を遮る建物が少なく、自分たちの住まいが直接風にさらされるので、
風の力を受け流すように妻壁をなくした結果にできあがった形態のようです。
まさに先人の知恵というか、歴史に学ぶのはとても勉強になります。
文化財保護の修復・保護の概要講義の様子。 |
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