リビングやダイニングに変化をもたらす場合にいくつか方法がありますが
そのひとつに床に段差を設けて高さの変化をつける方法があります。
お互いを間仕切るのではなく、視覚によってゆるく仕切る方法です。
最近はよく見かけますが、単に段差を設けて変化をつけただけというのも見ます。
特に床高を変化させるときに注意したいのが、
建てた時はが段差があることが面白いと感じていたけど、
年を取ってきてから段差が不便になるということ。
同一フロアで床高さに変化をつける時はその旨を十分に理解いただきたいと思います。
その中でも、これならデメリットを超えて気持ちの良い空間になっていると感じたのが、
去年の秋に行った長野の”星のや”の客室でした。
”星のや”ではソファースペースのみ下がっています。
手前がベッドスペース |
上の写真で、収納家具の奥がリビングのソファースペース。
ベッドスペースの床とは450mm程度下がっています。
一段上がったところからの眺め |
ソファーからの眺め |
上のレベルからは俯瞰した外への眺望が得られます。
そして下へ降りたレベルからは視線が外に接近した臨場感のある眺めが得られます。
眺望の変化はレベル差を設ければ得ることができますが、
この場合、スキップフロアというよりはソファーピットというべきでしょうか。
さらにソファーピットと歩行スペースには人が軽く腰かけることができる高さ(500mm程度)
の手すり(?)が設けてあって、ソファーピットの壁となっています。
スキップフロアとピットでは、同じ段差なのに何が違うのか。
ソファーピットでくつろぐことで初めて理解できたのですが、
1) 背後に高い壁ができるので背中が守られている安心感があり心地よい。
2) 背中が壁なので背後に空間が無い感覚をおこさせ、外の景色に意識が集中しやすい。
という2つの効果があるのではないかと思います。
見せかけではなく、星のやのように本当に心地の良いと感じるための空間づくりを
していきたいものです。
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